炎上! クラウドファンディングが不成功に終わった『ゲッペルスちゃん』次なる進撃は??~眠田直氏に訊く

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眠田直氏がプロデュース・原作を手がけるゲーム『燃え萌えナチス少女ゲッペルスちゃん』
その第3話制作資金を募るクラウドファンディングについては以前当サイトでも報じましたが、その後ネットで炎上するなどいいも悪いも話題を振りまいたものの惜しくも目標額達成できずファンディングは終了。

改めて原作者・眠田直氏にご登場いただき、ファンディング失敗の経緯や反省点・今後の展望などについてお話を伺いました。

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(きき手:浦嶋嶺至)

---失敗しましたかー、眠田直『燃え萌えナチス少女ゲッペルスちゃん』第3話制作プロジェクト。
眠田:うん、最終的に達成率76%、307,855円と、目標額400,000円には今一歩届かず、という結果に終わりました。最後の方で支援が延び続けてたんで、あと1~2週間あれば成功したかもしれないけど、まぁそんな事言ってもせんないことですし。
---案件が炎上してたんで、これは達成かな、と思って見てたんですが。
眠田:順を追って話すと、まず12月中は「この企画を取り上げてください」と、かたっぱしからゲーム情報サイトやオタク情報サイトにメール攻勢してたんだけど、反応が鈍くてねぇ。唯一の例外が「なりゆきゲーム屋ブログ」さん。あと「無料ゲーム.com」さんが広告載せてくれたり、ツイッター上でも情報をリツイートしてくれたり、親身になって協力してくれてありがたかったね。
それで1月になってからも情報サイトを探してて「KAI-YOU.net」さん「コタク・ジャパン」さんでやっと紹介された。ここまでは良かったんだ。
---ここまでは、と言いますと?
眠田:今のニュースサイトって、一箇所が記事にしたことが次々他のサイトにも転載される、って事が多いんだわ。アフィ目当てのサイトが多いのかな? その点、オリジナル記事中心の「COMIX.TOKYO」さんは貴重だね。
---いえいえ、うちなんかほんとに弱小サイトで…お力になれず申し訳ありません。
眠田:それでニコニコニュースに転載された途端、客層のせいなのかツイッター上が荒れてねぇ。これが1回目のプチ炎上。
---ほうほう。
眠田:同時期にユルクヤルという海外情報のサイトにも載りまして、なんか外国ではゲームじゃなくてアニメの企画だと誤解されてるみたいで。これもまたニュースサイト転載化で他のサイトへ飛び火して。
---それじゃ、さぞかし名前も売れて支援者数が伸びたんじゃないですか?
眠田:いやー、マイナスイメージで宣伝されてもダメみたいだね。お金を出そうって気にならんらしい。
---それはそうかもしれないですね。
眠田:で、少し沈静化して支援者も戻り始めた頃、1月末に急に「2ちゃんねる」とかツイッターのまとめとかで2回目の炎上が起きたんだよ。ユルクヤルやニコニコニュースで情報が流れたのはその2週間も前だし、長年やっててもネットの流れというのはいまだよくわからないなぁ。
---また支援の動きも止まったと。
眠田:うん、2月1週まではパタリと止まっちゃたね。その後また支援者が増えだして70%まで伸びたんだけど、そこでタイムアウトって感じでさ。よく「炎上商法」とか言うけど、あれは嘘だね。ネットで騒ぐ連中が増えるだけで売り上げに繋がらないよ。
---そうでしたか。
眠田:まぁ宣伝相のゲームなのに、宣伝は上手くいきませんでしたってオチかな?
---ではこれで「ゲッペルスちゃん第3話」の企画は終了なのですか?
眠田:とんでもない! 今度は「Enty」で支援者募集を続けていますよ。こっちは1回こっきりのFUNDIYとは違って、月額制で支援するシステム。上手く行けば「ゲッペルスちゃん」の第3話だけでなく、4話、5話とシリーズ化も考えているよ。

「Enty」より
「Enty」より

---支援者が集まるといいですね。
眠田:あ、前回の取材の時に言ってたキャラクターのフルボイス化、やりますよ。
---えっ、それは嬉しいニュースですね。期待しています。

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[取材後記]
ネットでの炎上の煽りを受け、本サイトでも掲載の『ゲッペルスちゃん』の記事がバズってしまうなど、改めてSNSや掲示板の波及力の凄まじさを感じた。
「炎上はビジネスチャンス」と昨今語られるが、それでも目標額に到達しなかった、というのを反省点として、眠田氏のみならず同じくファンディング不成功の経験がある筆者自らも省みる良い機会ともなった。

『ゲッペルスちゃん』に関するネットでの非難の矛先は様々だが、ただ表現の自由という観点にのみ語ることをお許しいただくなら、炎上の論旨となった「ナチスをパロディ化したことが悪い」というのはまるで的外れな意見である。

“それなら『ガルパン』や『ストライクウィッチーズ』はどうなの?”と、そう非難した方々の同じ口からご見解を訊いてみたい。ナチスを違法としているのはドイツであり、ここは日本であって、国内においてゲッペルスちゃんに係る表現は違法ではない。
日本は世界で初めて『わが闘争』の完訳版を発行した国であり、キン肉マンではブロッケンマンに鉤十字が付いている。そのくらい表現の自由度は高い。
ただの難癖には耳を貸す必要はないだろう。単なる生理的嫌悪に理論武装の鎧を纏っても説得力は無い。
勘違いしてもらっては困るので断言するが、筆者にとってナチスなど唾棄すべき存在である。そうでなければ映画『SHOAH』に関する記事を載せたりはしない。

ゲッペルスちゃんを糾弾することは、わが国の憲法第二十一条に謳われた「表現の自由はこれを保障する」に背を向けることであり、それは則ち2010年に起こった「非実在青少年」の事態における漫画アニメ規制推進派と肩を並べるに同じである。

ツイッターでも異見が見受けられたが、「シャルリー・エブドがOKと言うならゲッペルスちゃんもOKのハズであろう」という或る方のつぶやきは非常に論理的な見方だと思う。

 

 

なにはともあれ、ファンディングの不成功にもめげず、まだまだギブアップせずに実現に向けあらゆる手段を模索し続けている眠田直氏の活動には敬服します。

やっぱ、自分の編み出したキャラはずっと大事にしたいよね。

《文/浦嶋嶺至[本サイト主筆]》

「Enty」より。なんだこれふつーにかわいいぞ…

「燃え萌えナチス少女ゲッペルスちゃん」おふぃしゃる・うぇぶさいと
http://mindypower.com/goeppels/

「Enty」のサイト
https://enty.jp/goeppels

 


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